ななしのはにわの雑記帳

映画やアニメの感想をつらつらと。個人的見解に基づく批判なんかもあるため注意

第一回 天気の子 初見を終えて

どうもどうも、はにわです。

初回の記事は話題の「天気の子」の初回上映に行ってきたのでその感想をつらつらと。

以下には激烈なネタバレ・かなりの批判を含むので、未見の方・作品の熱烈なファンで批判を耳に入れたくない方はここでブラウザバックを。というか未見の方は興味さえあれば一度くらい目を通せば良いと思います。

※筆者は通常上映視聴一回、パンフレット斜め読み、程度の知識のためフリークの方に言わせると至らない考察が散見されるでしょうが、初回の生の感想を残すことも本記事の目的であるので、ご理解の上で以下に進んでください。指摘は大歓迎です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは簡単に全体の感想を

「アニメーションとして面白いし、音楽による演出も期待通りでよかったな」

というのが率直な感想です。大絶賛とはなりませんでしたが(これは自身の趣味が新海誠路線にないからかもしれません)、かなり良くできていると感じました。

ただ、上映中何度か首を傾げたくなるシーンはたくさんあり、こういったシーンが原因で「面白くなかった・分からなかった」という感想を持つ人がいるのは必然だろうなとも思います。ではその感じた違和感を少し考えてみます。

①帆高を中心に登場人物へ感情移入ができない

何でそんなに帰りたくないのか?

銃をぶっ放す

唐突な「晴れて欲しい」発言

銃をぶっ放す(2回目)

天候を変えてしまうことの罪悪感への葛藤が足りない

ざっとあげても、このぐらい。時々のぞかせる「なぜ?」のせいで作品への没入感が薄くなってしまっているのです。もしかすると、筆者の気づかなかった仕掛けで反論はつくかもしれません。が、私は違和感を感じました。特に帆高の一番の行動原理である「家に帰りたくない」という部分に説明がないことは大きく感情移入を障害します

 

②成長をしない帆高

本作品で徹底的に描かれるのは「精神的に全く成長しない帆高」です。①でも触れた通り、最初から帆高は

徹底的に自分勝手なキャラクターとして描かれます。そしてその身勝手さが成長することはありません。この成長していないことを決定づける場面が、

2発目の発砲

です。

1発目の発砲後、あれだけヒナちゃんにブチギレられたにもかかわらず、再び自分の身勝手を通すために帆高は再び発砲します。最初の発砲と同じことを繰り返し、ヒナとの出会いによって帆高に成長がなかったことを決定づけます。このシーンは、視聴中も強い違和感をを覚えました。

 

 

違和感の落とし所

では何故こんな粗が散見されるのでしょうか。さすがにこのレベルの映画でこんな粗が残るはずがないのです。だって、家出少年の家出の理由なんて5分もあれば語るのは難しくないし、そこさえはっきりすればグッと帆高は身近なキャラクターになり得るはずです。2回目の発砲のシーンだって、一度は銃を拾うも葛藤の末、それを捨て熱い演説でみんなを動かせば彼のこの物語を通しての成長は決定的なものになり、最後のカタルシスも大きなものになったはず。先に挙げた問題点はこんなにも簡単に解決するのにしなかった。何か真意があるはずだ、と。そこで考えました。

 

結論から言えば、

自分勝手な主人公、成長のしない主人公こそがこの映画の描きたかったもの

なのではないでしょうか。

エゴイズムに突き動かされる人間こそが、この映画描きたかったものだったとすればかなり合点が行きます。周りを見渡せば、自分のこれまでを振り返れば、むしろ非合理的とも言えるエゴに突き動かされる人間こそがリアルなのです。自分の行動も他人に理解されることも少ないし、周りの人々の行動だって理解できることの方が少ないでしょう。汚い東京、キャッチの声、バニラのトラック、そして緻密なまでに書き込まれる背景が土台を作る現実味は、この身勝手な人間の現実味に結びつけるための要素だったのかとさえ思います。人間考えている以上にいざ合理的な判断を下すことは難しいし、人は簡単には変わらない。それこそがリアルなのかなと感じました。

ラストについては追記予定

 

蛇足

もう少し、Twitterで散見される意見に習って卑近な例え方をすると

他人のやってるギャルゲー(ノベルゲー)を見せられている

というのがこの映画なんですね。そりゃアンチだって指示厨だって湧きますわ。だからみんなが幸せになれる方法はただ一つ…

 

天気の子のギャルゲーを発売する

 

当然、マルチエンディングのめちゃめちゃ分岐のあるやつ。みんなのエゴイズムで帆高を動かそう!

 

 

 

ダメですかね…

 

ではではまずはこの辺で。

反論などなど随時募集中です。また見に行って勘違いや追加あれば、追記又は新記事書きます。

そのうちプロメアについても少し書きたいなー。